神環協の活動紹介 令和5年度(2023年)


新春講演会2014

新春講演会(1)環境調査における労働安全衛生

神環協活動、新年最初の新春講演会は3つのテーマでお話を頂きます。まず最初にお話を頂いているのは、株式会社タツタ環境分析センター 労働衛生コンサルタントの金指博様から、『環境調査における労働安全衛生(その1)』。環境調査業務にひそむ危険は、建設業界にも似てとても多いそうです。落下、爆発、最近ではメンタルヘルスも大切な要素。我々ももう一度安全に取り組まねばなりませんね!

新春講演会(2)計量証明事業の適正管理(平成25年度立入り結果)について

二題目の講演は、神奈川県産業技術センター 計量検定所 副主幹の今村典久様より、『計量証明事業の適正管理(平成25年度立入り結果)について』のお話を頂いております。計量検定所が私たち事業者に対して何を伝えようとしているのか?私たちは計量証明事業者としてどのように社会に貢献する仕事を行っていくか?このような業界団体に所属し、勉強し、分析技術を磨いているからこそ、きちんとしたデータを出すことができると自負しています。お仕事の依頼は、一般社団法人神奈川県環境計量協議会の会員会社に是非お声掛けください。

新春講演会(3)高速液体クロマトグラフ・質量分析計による環境分析と今後の展望

三題目は、神奈川県神奈川県環境科学センター 調査研究部さまから主任研究員の三島聡子様のご講演 『高速液体クロマトグラフ・質量分析計による環境分析と今後の展望』です。今後、より多くの物質の公定法等にLC-MSを採用する可能性が大きいというお話は、私たち分析業界においては大変重要な意味を持っていますね。 (記事:大角)


船上研修(2013年)

2013年10月9日(水)江ノ島沖、気温25℃、晴れ、参加人数15名にて神環協船上研修会を開催致しました。
当初の予定では10月2日だったのですが、台風が日本をめがけて次々と…。おかげさまで10月2日は延期、あとのない10月9日も強風のためヨットを出せず係留した状態での船上研修会となってしまいました。

はじめに会長からの挨拶があり、講師からサンプリング機材の説明を受けました。講師は経験豊富なアクアパルス様にお願いし、機材の名称、使用方法など1つ1つ丁寧にご教授いただきました。 その後、船長の許可をもらい、救命胴衣を着てヨットに乗り込みました。係留した船でも強風にあおられ注意が必要でした。今回の参加者は半数程が女性でしたが、講師の教えのもと、積極的にサンプリング機材に触れ、全員がサンプリングを体験しました。一通り機材に触れた後、船上での集合写真をばっちり撮って会議室へ戻りました。

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会議室では、講師に“赤潮” “青潮”のメカニズムやサンプリング時の安全その他の注意事項、分析についてなどの色々なお話をしていただきました。なかでもサンプリングの体験談・失敗談などは、普段聞くことができないためとても参考になりました。質疑応答では、参加者は船上サンプリングだけではなく普段業務で行っている分析のことやその他サンプリングに関することなどを聞き、メモをする姿も見られました。
昼食を挟み、初めて顔を合わせる参加者同士の名刺交換などの時間を設けました。普段、分析業務を行っている参加者がほとんどで良い交流の場となったように感じました。

来年こそは沖での船上研修を実施したいと考えておりますので、皆様ご参加の程よろしくお願いします。

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技術ミーティング

第5回分析技術ミーティング

環境分析担当者なら誰もが経験する「マニュアル通りの操作では信頼性のある結果を得ることが困難なサンプル」に直面する事は、多々あると思います。あるいは、自社内ではスタンダードとなっている方法でも、より効率的な方法を模索する事もあると思います。
いずれも、同業他社ではどうしているのか?同じように困っているのか?とは言ってもなかなか聞けないのが現状ではないでしょうか。 
そこで技術部会では、会員各社が意見交換が出来る場を提供する事を具体化しました。 それが「分析技術ミーティング」です。

さて、今回で第5回目となる分析技術ミーティングは、去る10月25日に開催され、毎回好評な意見交換の場となりました。また、分析セミナーは、日環協/菅原先生、日環協/精度管理委員長/津越先生お二人による「分析の基礎」と「精度管理」に関する講演で、参加された方々の感想から有意義な一日であった事が伝わると思います。

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<参加者から頂いた感想>  
・分析に対する心構えや考え方に関して考え直させられる内容でした。
・精度管理の説明を聞き、その目的について誤解していた。  
・他社の方も様々な苦労をされていて、工夫して仕事をこなしている。  
・内容も共感できることばかりで、楽しく討論できた思いました。  
・次回も機会があるのならば参加してみたいです。 こ

れからも神環協の有意義な活動の一つに出来ればと思いますので、会員企業皆さまの積極的な参加をお待ちしております。                           神環協/技術部会

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2013年神奈川県環境計量協議会 合同会議

平成25年8月26日

一般社団法人化後、最初の大きなイベントが、神奈川県産業技術センター計量検定所様、神奈川県環境科学センター様、神奈川県環境計量協議会の三者合同会議でした。

我々神環協内で話し合われた結果を梶田会長がまずは報告。内容は、業界としての技術の向上、精度の向上、レベルアップを狙っていくという事を表明しました。また、県内で導入が進み始めている『最低制限価格制度』についてのご意見を頂きたいということを要望しました。 神奈川県環境科学センター様からは、精度管理の大切さと運用方法についてのアイデアを頂きました。

また、神奈川県産業技術センター様からは、事業規定や細則の常時見直しが重要だという点、協議会独自の差別化についてご意見を頂きました。

マネジメントの視点、技術部会を中心とする現場技術者の視点など様々な立場での意見交換ができ、非常に意義のある合同会議となりました。


2013年地引網

今年の恒例行事である[地曳網大会]が、2013年6月8日(土)に茅ヶ崎海岸に て行われました。
曇り空の中会員の家族、埼玉県環協連会員の者も参加されました。

今年こそ、今年こそと、大漁旗を揚げる意気込みでウインチの力を借りて、静かに 魚が逃げないよう皆裸足で掛け声(小声)をかけながら曳き上げました。

大漁とは活きませんが、まあまあの納得の幾く量で湘南のアジ、サバ、カツオ、 茅ヶ崎の生しらすが取れ、早く食べたいとの声が上がりました

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水揚げ後、梶田会長の挨拶、埼玉県環協から乾杯の音頭で、お刺身、天ぷら等の 馳走を食べなが、魚、世間話しに盛上がりました。その合間に、お子様にはスイカ割り、 大人には、ビンゴ大会も行なわれ、あの賞品欲しかったのに残念の声も聞かれました。 ビンゴを外れた人から新鮮な魚をお土産とし用意しました。
神環協会員の皆様の絆が強くなったのが感じられました。

来年こそは大漁旗を揚げるゾ

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新入社員研修記事

神環協の新人研修の感想            
株式会社 オオスミ
分析技術グループ 
野坂 圭
神環協の新人研修会が6月20日,21日の2日間で開催されました。
参加人数は約30人で、分析業務の他に、環境測定業務に配属された方も参加していました。研修会のプログラムは4つの講義と懇親会で構成されていました。
1つめの講義では、環境計量法や法令といった基礎知識を学び、2つめの講義では労働災害の状況、要因、化学的物質等の表示、保護用具の重要性を学びました。3つめの講義では、化学物質の環境リスクやガスクロマトグラフ法などの様々な機器分析法を学び、4つめの講義では統計値、平方和などのデータの扱い方について学びました。さらに研修後には懇親会が開催されました。
この新人研修の本来の目的は環境計量をする上で大切な基礎知識を学ぶ講習会だと思いますが、私はその後に開催される懇親会が非常に楽しかったです。お酒を飲みながら、他愛もない話が出来る場であったので、自分と同じ業界で頑張る仲間を見つける良い機会になりました。(同じ趣味を持つ友達を見つけることが出来ました。)
この2日間で感じた、学んだことを仕事で生かせるよう、日々精進していきたいと考えました。


神環協新人研修会 参加報告書
株式会社オオスミ
分析技術グループ
村尾雅司

10数社50名ほどが参加した神環協主催の新人研修会に、参加させて頂きました。講義主体の骨のある会でしたが、参加して良かったと思える経験となりました。特にそう感じた理由は次の2点です。

○領域を絞った研修会の密度
よくある“新人研修会”というのは、名刺交換などのビジネスマナーや社会人としての心構えについてレクチャーなどを受ける事が多いと思います。神環協の研修会では“環境分析”に的を絞って構成されていたため、ほとんどが会社あるいは自分の業務に関連する内容でした。自分に関係していると感じる情報は、特に興味を持って聞くことが出来ます。そのため、環境分析の歴史的背景や考え方などは知識の再確認となりましたし、業界の今後や易しい統計についてのお話は新たに得られた知識となりました。参加者それぞれに新たな発見をもたらしてくれる密度をもった、研修会であったと思います。

○会社以外の同期に出会える機会
研修会は講義の時間がほとんどですが、休み時間や昼食時間などに他の人と話す機会がありました。参加者は分析や営業と多様で、近くの席の人や自分の同期が話している周りの人など、気さくに交流する雰囲気がありました。特に2日目の最後は懇親会があり、飲食をしながら名刺交換と自己紹介・会社の紹介などに花を咲かせました。また、携わっている分析機器の使い方や、業務で気になっていることについて盛り上がることもありました。「それはウチでも問題になっているから、こうやって対処している」「あー、それ分かる分かる!」といった具合に話が弾み、楽しい時間を過ごせました。また、その時知り合った人と、今もたまに飲みに行くことがあります。最初の方は緊張しますが、研修会は共通項の多い人達が集まります。「他の会社の人の話を聞いてみよう」その心持ち1つで、楽しい時間を得る良い機会になると思います。

 

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新人教育研修会
株式会社オオスミ
分析技術グループ
最上由香子

平成25年6月20日、21日に新人研修会に参加しました。社会人一年目の新人だけでなく2年目、4年目の方もいるなど参加者の顔ぶれも幅広いものでした。講義も「分析の歴史」から、「安全衛生」まで多岐にわたるお話を教えていただき、分析初心者にとっては為になることばかりでした。
概要は以下の通りです。

【環境計量の概要】
環境問題への取り組みの歴史及びそれに伴い生じた環境証明事業の概要。
【労働安全衛生】
労働災害の状況・要因について。また、そうした状況・要因の中でどのように労働安全衛生を確保していくか。
【環境測定分析の技術的留意点】
主な機器分析法、用いる機会によって生じる誤差の種類及びその対処法と原因の求め方。
【やさしい統計の話】 統計によって得られた数値の扱い方。

講義の後は懇親会があり、分析だけでなく専門が異なる方たちとの交流もはかれました。今回の研修会は勉強になっただけでなく、他社の方とも交流を深めることができた意義ある二日間だったと思います。

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第27回環境計量技術事例発表会について

平成25年4月17日にかながわ労働プラザで環境計量技術事例発表会を開催しました。
 事例発表会は日頃の測定分析業務の中で,問題が発生した事例に対して意見交換を行う場として位置付けられており、今年度で27回を迎えました。
 以前は年度末を迎える業務繁忙期の2月に行われていましたが、第25回から4月に開催することで、多くの会員事業所に参加して頂きました。
 事例発表会では、会員事業所の事例発表6題、講師を招いた特別講演3題、技術部会活動報告2題の発表がありました。また、協賛メーカーによる展示会とプレゼンテーションも同時に行われました。

環境計量技術事例発表会の内容を紹介します(要旨については、発表者の原文を掲載)
【環境計量技術事例発表】
1.クリプトスポリジウム等検査について
  株式会社総合環境分析 近野 栄子様
 試験方法の流れと我が社で実際行っている試験方法の簡単な説明と注意点について顕微鏡の操作手順とデジカメで撮影した写真を見ながら特徴を説明し注意点と安全対策を発表します。

2.IAMSによる臭素系難燃剤スクリーニング分析
  東芝ナノアナリシス株式会社 川元 浩貴様
RoHS指令規制物質であるPBBs、PBDEsのスクリーニング分析は蛍光X線分析法による臭素含有判定があるが、臭素化合物の含有判定が出来ないため、弊社では IAMS(イオン付着質量分析)による臭素化合物の含有判定を実施している。
本発表では、IAMSの原理、特徴及び分析事例を中心にご紹介する。

3.環境水中のノニルフェノールの分析方法及び採取時の留意点についての検討
  株式会社アクアパルス 野田 和廣様、他
 2012年8月22日に生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る環境基準項目にノニルフェノールが追加されました。今回提示された異性体別(13異性体)個別定量法について、いくつかの知見が得られたので報告します。

4.すず(Sn) JIS K 0102 63.1フェニルフルオロン吸光光度法におけるフェニルフルオロン溶液の経時変化について
  化工機プラント環境エンジ株式会社 根本 麻美様
 すずの定量方法にJIS K 0102 63.1フェニルフルオロン吸光光度法がある。操作過程でフェニルフルオロンを加えて黄色の錯体を生成させるが、フェニルフルオロン溶液の保存期間は記されていない。しかし、外見上、明らかな経時変化が見られた。これによる分析結果への影響について検討したので報告する。

5.ICP-AESにおけるホウ素高濃度含有試料測定後の洗浄効果の検討
  株式会社オオスミ 上田 裕史様、他
 ホウ素はメモリー効果が大きい元素であることが知られている。このため、高濃度ホウ素含有試料をICP発光分光分析法で測定した場合、長時間の洗浄が必要となる。そこで、ホウ素の残存影響を短時間で解消するための洗浄方法について検討を行ったので報告する。

6.蛍光X線分析法を用いたPM2.5の金属成分分析について
  ムラタ計測器サービス株式会社 大西 裕介様
 「大気中微小粒子状物質(PM2.5)成分測定暫定マニュアル」では金属成分を分析する方法としてICP-MS法と蛍光X線分析法が記載されている。しかし蛍光X線分析法を用いる分析会社は少なく、ほとんどがICP-MS法を用いている。そこで蛍光X線分析法を用いる長所を示し、また定量法についても併せて示す。

【特別講演】
1.LC/MS/MSによるLAS分析について
  一般財団法人 材料科学技術振興財団 前田 泰延様

2.産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48 年環境庁告示第13 号)の改正について
  小池技術士事務所 小池 満様

3.流れ分析法による水質試験方法JIS K 0170の工場排水試験方法JIS K 0102への取り込みの方向性
  横浜国立大学 名誉教授 中村 栄子様

【技術部会発表】
1.第4回 分析技術ミーティングの活動報告

2.平成24年度共同実験報告 -水中のカドミウム及び鉛-

【協賛企業(順不同)】  
機器展示、プレゼンテーション、広告掲載 日本電子株式会社、株式会社エイビス、株式会社ガステック、ラボテック株式会社、 関東化学株式会社、ビーエルテック株式会社、株式会社東京科研 株式会社ハチオウ、株式会社オオスミ、アルテア技研株式会社  株式会社島津製作所、アジレント・テクノロジー株式会社

 事例発表は、日常業務における問題点を解決した事例や、新たな手法の開発事例など、多岐にわたる内容でした。特別講演は我々の業務において非常に密接な内容なので、大変参考になりました。

 事例発表の終了後は懇親会が開催され、多くの方に参加して頂き、会場のあちらこちらで活発な意見交換が行われていました。

 神環協では今後も、事例発表会を通じて情報の発信、技術者の意見交換・交流の場として会員事業所の技術の向上に寄与していきます。